ダミー作成が必要な理由と、その難しさについて(vol.1)

こんばんは。

何かとバタバタしている11月下旬。相変わらずブログに時間が取れず2週間ぶりの更新となりました。

さて前回のブログで「シュリンクフィルムのダミー」について書かせてもらいましたが、今回はダミー作成の「難しさ」について書きたいと思います。
若干愚痴っぽくなるかもしれませんが、お付き合い下さい。

●ダミー作成の意義

「意義」とか言う言葉を使うと少し難しく聞こえますが、要は「そもそも何故ダミー品を作成する必要があるのか?」って事について最初に触れたいと思います。
ダミー品が必要な理由は製品を作成しているメーカー様によって用途はさまざまです。
一例をあげると・・・

1、意匠の確認用
製品のデザインは、初期の段階ではスケッチ画などの平面でやり取りする事が多いですが、ある程度に詰まってくると立体的な物で確認を行います。
その際にダミーを作ります。
2、プレゼン用
デザインコンペなどがある時に、立体物として作成してプレゼンする時に作成します。
3、撮影用
意匠が決定しても、商品として出来上がるまでには、まだまだ日数が掛かります。
でもそれまでにカタログやチラシを作る必要があり、その掲載用に商品撮影するためのダミーです。
4、棚割用
商品を陳列する時に、どの段にどんな商品を並べるかを決める「棚割り」をしますのですが、商品がまだ出来上がっていない場合は「実寸大のダミー品」で行います。
5、出荷用のケース作成用
こちらも商品が出来上がる前の工程ですが、商品を入れる為の「箱」を作るときに実寸のサイズを見るために作ります。
例えば電化製品の箱やコーナーに当ててある発泡スチロールなどを思い出していただくと分かりやすいでしょうか?
6、商談用
バイヤーや量販店などへ商品説明をする時に使用します。

というところです。
いずれも「実際の商品が出来上がる前」に必要となるものですが、実は使用する用途によって求められる精度はかなり変わってきます。
2や3なんかは、最終商品に近い精度が必要ですが、5はデザインというよりも「形状」の精度が求められます。

●形状を重視したダミー作成

デザインというよりも形状の確認用として使用され、通称「モックアップ」とも言われます。
最終的に商品を大量生産するとなれば図面をもとに金型を作って成型していく事になりますが、実はこの大量生産用の金型がかなり高額なんです。
スケッチ画や図面などでおおよそはイメージ出来るのですが、そのまま金型を作ってしまうと、万一想像していた形状ではなかったら、高額な費用を掛けて金型から作り直す事になってしまいます。
そう言う間違いが起きないよう「モックアップ」を作って事前確認しておく必要があるんですね。
作り方は
1、簡易的な金型で作成する
「簡易的」と言いながらも、そこそこの費用と時間が掛かります。
2、アクリルやABS樹脂の削りだし
図面データを作ってCADのマシーンで削っていく方法です。
一体型に仕上げたり、複数のパーツを作って接着したりします。
3、3Dプリンター出力
一時テレビでも頻繁に取り上げられていたので既にご存知だと思いますが、データを作って3Dプリンターで出力する方法です。ただよっぽどの高性能なプリンターでない限り、プリンター出力したままでは使い物にはなりません。“バリ”が出ます。そのためヤスリなどで綺麗に磨く必要があります。

この様な感じです。
ただこれは電化製品などプラスチック製品の作り方。
同じ立体的なダミーでも紙箱や袋物などはもっと簡単に作る事が出来ます。
展開された形状通りに手作業でカットするかCADカッターなどでカットし、両面テープや接着剤などで貼り合わせて作ったりします。

●最終商品と同じ精度のダミー作成

これはデザインの確認用や撮影などで使用されるため、全体の品質が求められます。
パッケージデザインの内容や形状によって作り方は多種多様に変わります。
精度が求められることが多いのですが、色々な問題点や難しさもありますので詳細については次回に書きたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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1972年1月18日生まれ。奈良県在住。大学を卒業後、製版会社、広告代理店を経て父親が設立したダイトー光芸(株)に入社。2013年5月より現職。 恵まれたクライアント様や協力会社様に育てていただきながら、日々奮闘中。

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