実は作る事と同じくらい大切な、文字校正について。

こんばんは。

今日の大阪は朝から雨。とうとう関西にも梅雨入りが発表されました。
ちょっと鬱陶しい季節ですが、農家の人にとってみると大切な恵みの時期でもあります。
ボクの自宅の裏が田んぼなんですが、昨日からカエルがうるさく鳴き始めました。
「うるさく」と書きましたが、この鳴き声が結構好きで、逆に落ち着いたりします。
今日は雨なんで帰ると大合唱しているんだろうなー、きっと。

さてさて、今日はデータ制作をしている弊社には「必須」の文字校正について書きたいと思います。

●入力間違いを助ける文字校正

販促物の制作をする際、弊社ではデータ制作(デザイン)を社内で行っています。
最近ではお客様から「WordやPowerPoint」などで原稿をいただく事が多いので文字入力から作業する機会が減りましたが、今でも手書きの原稿をいただいて文字入力からする事があります。
人間のやる事ですから、どれだけ慎重に入力していたとしても誤字脱字は付きものです
そこで、そのミスを補う大切な事が「文字校正」になります。

余談ですが、ちょっと前に「校閲ガール」っていうドラマがあって、文字校正についてちょっと話題にもなりましたね。
ちなみに「校閲=文字校正」のことになりますが、実は校閲の仕事はかなり専門的な知識が必要なので、単純に文字チェックだけをしている訳ではないんですよ。

●文字間違いが許されない物

お金をいただいて作っている以上、当然ミスは許されませんが、その中でも「絶対に許されない案件」があります。
それは「法律で決められた物」を作る時です。

弊社の仕事を強引に2種類に分けると
・販促物の制作
 ・資材もの(物販品)の制作
になります。
販促物は仮に間違っていたとしても、法に触れていなければ許される事があります。

(もちろんミスをしても良いと言っている訳ではありませんし、何でも許されると言っている訳ではありません!)

ところが物販品となると、そういう訳にはいきません。
なぜかと言うとう物販品の表示には法律で決められた文言が多く含まれていて、間違いによって法律違反になり、商品回収の対象にもなってしまう事があるんです
弊社のお客様に医療関係のメーカー様があるのですが、それこそ取扱説明書に誤りがあって、もし違った使い方をされて患者さんに重大な影響があれば・・・。
と考えると、とても恐ろしい事になります。
だから文字の間違いには厳しく言われる事が多いですね。

●データで作成するようになって、予期せぬミスが増えてきた

デザインをMacのイラストレーターでするようになってから、今まででは考えられなかったようなミスが発生するようになりました。
一例を挙げてみましょう。

・コピー/ペーストによる間違い
同じレイアウトで沢山の種類の物を作る時に、1つ作った物を複製して、内容の違うところだけを変更するやり方をします。
でもこの時に変更をし忘れる時があるんです。
・グループ化
イラストレーターの機能に「グループ化」と」いうのがあります。詳しい説明は割愛しますが、修正などである部分を削除するときにグループ化になっているところが一緒に削除されてしまう現象です。
・テキストボックス
複雑なレイアウトをする時にテキストボックスという枠をあらかじめ作ります(箱組)。
そうするとその枠の形に沿って文字がレイアウトされていくのですが、その枠から溢れると文字が消えてしまいます。

あくまでも一例ですが、この3つが代表的かなぁって思います。
実は3つに共通する事は、原稿や修正の指示がないところが変わってしまうという事なんです
だから見つけにくく、大きな事故につながる危険性があるんですね。

●文字校正の仕方

さて上記のことを踏まえて、如何にミスを無くすか。
自論ですが、ボクは「きっちり文字校正をする」しかないと思っています。
もちろん作業を慎重に行うことが大前提にはなりますが、それでもミスは起きてしまいます。
だから結局は「人間の目で原稿と照らし合わせる」しかないんですね。

でも中には書物など文字量がとても多い原稿があります。
毎回一字一句チェックすることが理想ですが、修正や変更のつど全部チェックすることは現実的に難しい場合がありますね。
そんな時、ボクは下の動画のようなチェック方法を取っています。

かなりアナログですが、実はこの校正の仕方は「製版会社」に勤めていた時に先輩から教わりました。
作った物と原稿を重ねて、上側の紙をパラパラとめくりながらチェックするだけ。
結構雑に見えますが、実は意外と間違いが分かるんですよ。
多少は慣れが必要ですが、皆さんも一度試されてはいかがでしょうか。

あとは「校正ソフト」を利用するやり方もありますね。
実は弊社でも以前に導入を検討した時期がありました。
デモ機も見て試してみたんですが、その時は精度の問題で見送りました。
最近のソフトはかなり精度が上がっていると聞いているので、また検討したいと思います。

●まとめ

かく言う弊社も今まで沢山のミスを犯し、お客様にも多大なご迷惑をお掛けしてきました。
その都度、どうすれば良いのかを会議で話し合い、対策をとってきたつもりですが、小さなミスは頻繁に起きています。
なかには文字校正だけでは防げない事もありますが、でも文字校正をキッチリすれば大半の事故は防げるとも思っています。
日々の仕事に緊張感を持って、これからも臨みたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

The following two tabs change content below.
1972年1月18日生まれ。奈良県在住。大学を卒業後、製版会社、広告代理店を経て父親が設立したダイトー光芸(株)に入社。2013年5月より現職。 恵まれたクライアント様や協力会社様に育てていただきながら、日々奮闘中。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする