業界が違えばルールも違う!生地の仕事について

こんにちは!
今日、大阪は天神祭です!今朝の予報では「雨」でしたが、現在の大阪は曇り。気象庁の発表がある意味正確なのか梅雨明け発表の後、大阪は雨が降らなくなりました。今日こそ何とかこの状態を持ちこたえて欲しいですね~。

さて今日は久し振りの日中更新!
って言ってもバレてると思いますが、ほとんど先週末の夜に書いていました。
以前週末の夜に更新した際、いつも以上に閲覧いただいた件数が少なかったので、今回はその際の反省を踏まえ「出し惜しみ」してました!

●店頭の販促やイベント用のブランド布

弊社は販促物に関わる事を幅広く対応させていただいているので、何度も経験している仕事から、大袈裟にいうと初めて聞くような案件まで、ホント色々なお仕事をさせていただきます。
そのような仕事の中で、もう何年か前の話になりますが「布へのプリント」を依頼されたときのお話をしたいと思います。

IMG_2016
「布へのプリント」というと、たいてい「インクジェット」や「転写プリント」などを想像しますが、その時は10m巻×450本(つまり4500m)とロットがとても多くインクジェットなどで出来る量ではないご依頼でした。
でもそこは繊維の街「船場」。
相談出来るところが沢山あります!
早速弊社のご近所さんに相談に行きました。

●工程は知らない単語だらけ

そこで色々と教えてもらったのですが、簡単にいうと仕事の流れはこうです↓

1、データ作成
2、生機をPした
3、マス見本確認
4、校了後、捺染
5、カット及び巻き直し

1、データ作成
これは特に説明は要りませんね。
デザインをデータで作成します。

2、生機をPした
「生機」ってどう読むのかわかりますか?「きばた」と読みます。
糸から生地を作りますが、作ったそのままの状態の布の事を「生機」と言います。
「Pした」=「ぴーした」の意味ですが、生地を晒す(さらす)ことです。
「生機」の状態は生地そのものに色が付いています。それにプリントするために一度「真っ白」の状態にしないといけないんですが、その晒し作業を「Pした」と言うらしいです。

3、マス見本
「枡見本」と書くのですが、紙印刷でいうところの「色校正」にあたりますね。
要は本番プリントする前に色やデザインを確認するための「試し刷り」したものです。

4、捺染
「なせん」と読むんですが、プリント=印刷の事です。
ところでこの印刷は「紙印刷」でいうと何印刷になるのか・・・?
って、実はよく知らないんです。個人的にはグラビア印刷だと思いつつ、実際は「染」という字を書くので、よく分かりません。スミマセン。

IMG_2012

5、カット、巻き直し
このカット作業がまた大変です。以前ご注文いただいたのは10m/1巻だったのですが、これも先程と同じく引っ張ると伸びるので、ピッタリ10mでカットすることは出来ないですね。

って何か販促屋とは全く関係のない生地のことについて、かなり知っているかのように書きましたね。ボク自身その当時に何度も教えてもらい、分からないところは理解できるまで質問し、ようやく身についた事を書いたのですが、間違っていたらゴメンナサイ。(専門家の方がおられれば、ご指摘をお願いします!)

●業界が違う!

それにしても弊社が通常請け負っている印刷工程とは、随分違いますね~。
特に驚いたのが「絵柄がデータ通りに仕上がらない」と言われたことです。だってボクたちの業界で、例えばロゴマークの形が変わることなんて、もちろんご法度です。それが変わると言われたんですよ!当然依頼先とはエキサイトしました。
でも説明されると多少は理解出来ました。要は「布は伸縮する」ので、ほとんど伸縮しない紙と比べ捺染(=印刷)の精度が出にくいと言う事らしいんです。

IMG_2017
皆さんも想像してください。布の両端を引っ張ると伸びますよね?その伸ばした状態で絵柄をプリントすると、当然絵柄が歪みます。実際の捺染時では、機械で出来るだけ同じテンションに伸ばしてプリントするのですが、多少は歪みますね。これは布の性質上、どうすることも出来ないようなんです。
とは言え「はい、分かりました」と引き下がれないので、その調整が大変でしたね。

●感覚も違う!

余談ですが生地の仕事をさせていただいてとても驚いたことがもう1つあります。

「納期は1週間くらいの遅れは見込んでください」

と言われた事です。
だってイベント日や商品発売日などが決まっている以上、納期遅れはご法度なのは当然ですよね。それが生地業界では、よくある話だそうで、この言葉には驚きました。

ちなみにデータを渡してから
マス見本出来上がりまで・・・・約1ヶ月
校了後、捺染仕上がりまで・・・・約1ヶ月
カット~巻き直し・・・・約2週間
掛かるので、トータル2ヶ月半掛かります。
(それでも1週間くらいの遅れがあるらしいですよ。)

もしこの様な案件があれば、納期には余裕を持たれてご注文をお願いします!

業界が違えば知らない単語や工程や慣例が沢山あり、ボクたちの常識が通用しない事もしばしばあるんだと実感した仕事でした。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

The following two tabs change content below.
1972年1月18日生まれ。奈良県在住。大学を卒業後、製版会社、広告代理店を経て父親が設立したダイトー光芸(株)に入社。2013年5月より現職。 恵まれたクライアント様や協力会社様に育てていただきながら、日々奮闘中。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする