印刷、広告業界の勤務時間について

こんにちは。

昨日が祝日で休みでしたが、本日仕事をするとまた明日から休み・・・。
完全週休2日の企業は年間120日以上の休み、つまり年間の1/3は休みという事なので、ホント休みが多くなったなぁーって思いますね。

さて先日、広告最大手の電通の女性社員が過労により自殺をしたというニュースがありました。
弊社は広告代理店ではないですが、同じ広告業界の者としては大変ショッキングなニュースで、とても他人事とは言えない状況でした。

ボクもついつい残業をしがちなので、ちょっとボクなりの考えを書きたいと思います。

●新卒で働いた最初の会社

以前のブログで書いた事がありますが、ボクは大学を卒業して最初に働いた会社が印刷の「製版会社」でした。
その会社は、確か8:30が始業だったと思います。ボクは営業だったんですが、営業は「9:00までに外出する事!」という厳しいルールがあり、9:00を超える場合は営業部長に報告する決まりになっていました。そのため外出する準備などで出勤時間はかなり早く、8時前には出社していました。しかも週一回早朝会議があり、その日は7時出社していました。
実際の仕事では、当時はデータが出始めた頃でほとんどの原稿が「版下」と言われるアナログの時代でした。そのため、印刷するための「版」を作るのにも沢山の工程があり、1つ1つにかなり時間が掛かっていました。
また現在のように「データで色付きのデザイン確認」が出来なかったので、最終のイメージは色校正などで確認するしかなく、色校正後のやり直しも頻繁にあって、残業が当たり前の会社でした。
最終電車に間に合わずタクシーで帰ったり、時には徹夜もしばしばあったので、1ヶ月の残業時間が5~60時間(あっ、営業は午後9時以降からしか残業の扱いにならなかったので、実質は120~130時間ってことです)くらいしていましたね。稀に22時くらいに帰ろうとすると先輩から「櫻井、お前なんで今日はそんなに早いねん!」ってよく言われたもんです。
朝が早く、夜が遅い。
そうなると休日はひたすら寝るんですね。ある日5時ごろに目が覚めたとき、午前か午後か直ぐに分からないという事もありましたね(笑)
まー、エピソードを述べるとキリがないくらいですが、今から考えると完全とブラック企業で、感覚がマヒするくらい異常な環境でした。

●印刷や広告業界

ボクが働いていた会社は確かに異常だったかもしれませんが、実は印刷業界や広告業界は(今でも)大なり小なりそんな事があるんです。
最近でこそ「ブラック企業」だとすぐにネットで拡散されるので減って来ましたが、やはり「業界病」というか、「この業界は仕方がないねー」的な考えは残っています。もちろんそこには色々な理由があります。
例えば
・受注生産なので、お客様から言われた納期を守る必要がある。
・キャンペーンの日程や商品発売日など、動かせない期日がある。
・デザインなど、正解のない要素が多く、こだわればキリがない。
などが一例でしょうか?
そんな感じで「この業界は仕方ない」という古い考えが未だに残っているんですね。
あっ、もちろんですが「だから電通の件も仕方がない」と言ってる訳ではないので誤解なきように。

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ちなみに弊社のような制作会社に限って言える事は、以前であれば印刷会社がしていたような製版的な要素を、その垣根が曖昧になってきて、データ入稿する制作会社が行っている。つまりデザインだけではなく、印刷業務も一部行う事で作業内容が増えたという事もありますね。
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●では、これからどうすれば良いのか?

ボクも経営者のハシクレとして頭の痛いところです。
もちろん品質を落とす事は出来ないですし、納期を遅らせることも出来ない。
そういう意味では、やはり今の現状では「多少の残業は仕方がない」のかなぁと思います。
でも「仕方がない」からと言って長時間労働を推奨する訳にはいかず、出来るだけスピードを上げ、生産性を高める仕組みを作る必要がありますね。そのためには個々にスキルを上げる事も必要ですし、社内で助け合える事は助け合わなければいけません。またそういう環境を作る事が経営者の大切な仕事なんだと思います。
人工知能の技術が進歩してくると、またやり方も変わってくると思いますが、今のところはこんな事しか思い浮かばないですね。

と言いながら毎日残業しているので、ボク自身がもっと生産性をあげる必要がありますが・・・(汗)

すみません、何か暗い話になってしまいました。
今日は華金です(華金って死語?)。
今日は弊社全員で飲みに行くことになっています!今日は残業をしないのでお客様にはご迷惑をお掛けしますが、月曜日からの対応となります事、ご了承のほどお願い致します!

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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1972年1月18日生まれ。奈良県在住。大学を卒業後、製版会社、広告代理店を経て父親が設立したダイトー光芸(株)に入社。2013年5月より現職。 恵まれたクライアント様や協力会社様に育てていただきながら、日々奮闘中。

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